相談窓口を設置しても利用率が上がらない時は

 企業において、メンタルヘルスやコンプライアンスの相談窓口を設置している会社が多くあります。多くの企業で、せっかく相談窓口を設置したにもかかわらず、ほとんど利用されていないというのが実態のようです。
 では、せっかく設置した相談窓口をうまく機能させるにはどのようにしたらいいでしょうか?
 
相談窓口の利用率を向上させ、本来の目的を達成するコツとしては、
→ 【上司自ら使ってみて、その感想を部下に言う】ことです。

 
 特にカウンセリングで顕著なのですが、カウンセリングを受けたというと、何か弱いと思われるのではないか、何か自分が弱っていて馬鹿にされるのではないかと考える人が日本には多いと感じています(専門的には受診に関するスティグマといいます)。
 アメリカでは、カウンセリングが身近に存在していて、例えば学校で教科の選択をすることまでカウンセラーに相談すると聞きます(それがよいことかどうかは別問題として、それだけ生活にカウンセリングが身近という例です)。
 ある外資系の企業で、相談窓口の利用向上のための研修をしたところ、その会社の管理職から、「ありがとうございました。僕自身はカウンセリングとか受けたことないのですが、部下にとってとても良い制度だと思います」と言われました。
 その部署では、相談窓口の利用率は0%でした。
 そこで、その管理職の方に、先程のアドバイスである、自ら使ってみて、その感想を部下に言ってもらいました。
 
 その後感想を聞いてみると、これまで社外に相談するなんてという空気だったのが、あの人が相談したぐらいだから、自分たちも相談してみようという雰囲気に変わったそうです。その後の利用率のデータはまだ出ていませんが、将来的には向上してくると思います。
 つまり、上司が社外相談窓口にネガティブなイメージを持っていると、気づかないうちに態度に出たりしているものなのです。
 まずは、積極的に自ら試して、率直な感想をいうことが、相談窓口を機能させるコツだと思います。もちろん、相談しうるクオリティの相談窓口であることは大前提です。
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